No.78 蜂蜜の里 Muria山

1. チプトという名のスタッフ

 

インドネシア側では、現地の社員をはじめ、生豆を精製する際に手伝ってくれるPanjunan村の人々、養猫業者、輸出時のインドネシアのフォワダーなど、こちら側でもいろいろな人々に活躍してもらっています。その中に一人、部下以外で生豆の産地のKelet地区と、精製場所であるPatiを繋ぐ役割をしているスタッフがいます。

彼の名はCipto(チプト)といいます。Patiという街は「県」にあたり、コーヒーが収穫されているMuria山の麓に位置します。ジャコウネコを飼育し、生豆の収穫をしているKelet地区というのはMuria山の中腹の地域でありまして、Patiから車で約1時間の距離です。

 

2.天気予報士+情報収集家のような貴重な仲間

 

このCiptoは、現在暮らしているのがPatiなのですが、もともとKelet地区の出身で、コーヒー生豆の収穫状況やジャコウネコの飼育などは彼自身大変精通しています。例えば気象情報です。PatiからKeletまで車で約1時間ではありますが、気候はかなり違います。

特に雨期の際などはPatiでは晴れ間がのぞいていてもKeletでは雨がやまない状況が続くことも珍しくなく、「今年は雨の降りが少なかったのでコーヒーの出来は悪いかもしれない」と思っていても、山側では例年と変わらずの降雨量で問題はなかったという場合もあります。

彼は現在も友人や両親、親戚等がKeletで暮らしているため頻繁にPati~Keletの行き来があり、Keletでの情報収集は彼も一役買ってくれています。例えば「この前2人の日本人がコピルアクを買い付けに来たぞ」とか、「カナダから何人かジャコウネコを見に来た」といった具合です。彼がもたらす情報は私や社員も重宝しており、今では欠かせない仲間になりました。

 

3.蜂の巣ハンターとしての貢献度

 

ところで先般ブログでお話しした蜂の巣ハンターの件ですが、実はこの情報を私達にもたらしたのはCiptoでした。彼の実家がある近隣では蜂蜜の採取が細々ながら行われていて、多少なりとも生活の糧には貢献しています。

もちろんこの蜂蜜の採取とはいわゆる「養蜂場」ではなく、ハンターが採ってきた蜂の巣を「ギューーーッ」としぼって中の蜂蜜を取り出すことです。蜂蜜の採取でイメージするのは遠心分離装置か何かで巣の中の蜂蜜を取り出すというものではないでしょうか。ところが、彼らはガーゼのような布の中に蜂蜜を入れ手で搾りタンクの中に蜂蜜を貯めてゆきます。

 

4.蜂蜜の搾り作業

 

こういった作業に大変興味があり養猫業者に行ったついでに、Ciptoの実家の近所の蜂蜜業者に立ち寄りました。現在は雨期で蜂の巣があまり取れないということもあり、実際に蜂の巣を絞っている場面は残念ながら見ることは出来ませんでしたが、タンクの中の蜂蜜は見せてもらえました。

大変印象的だったのがタンクを開けた時の「臭気」です。蜂蜜がたくさんあれば甘い香りがすると思われるでしょうが、実際は物凄い「発酵臭」が鼻につきます。もちろん舐めれば甘いのですが、タンク一杯に詰まった蜂蜜の香りというのはかなりキツイもので、あのエビを発酵させた強烈なにおいのするTerasi(トラシ=エビ味噌)と同系統といえるかもしれません。

正直なところ、味も日本の蜂蜜と比べると全く違います。日本の蜂蜜は美味しいですが、この養蜂場産ではない蜂蜜は美味しいという感じはせず、甘みはたしかにありますがそれ以上に発酵臭が気になるため、美味しいと感じる人はあまりいないでしょう。

そしてもう一つ不思議なのが、普通の蜂蜜であれば気温が低くなれば固くなり、白い結晶のようなものが下にいさりますが、この蜂蜜は真冬の日本に持ってきても固まらず、液状のままなのです。Ciptoの意見ではインドネシア人の食卓に上る蜂蜜はほとんどが、混ぜ物がしてあるということですが、養蜂場でもないこういった超天然の蜂蜜というのは、インドネシアでもあまり知られていません。もしくは既に廃れてしまって、現代人には知られていない大変貴重なことなのかも知れません。

 

蜂の巣

この記事を読んだ方はこちらも読まれています

検索

最近の投稿

過去の投稿

pagetop